二種類の風

 手賀沼でセールしていると二種類の風があるのが分かる。

 一種類は風が周囲の地形の影響を受けてできる風である。
建物や橋などの障害物があれば風は弱くなり、障害物から離れるにしたがって
風は強くなる。湖岸に出っ張りがあればそこを通る風は
スロットル効果で強くなる。こうした周囲の地形によって生じた風は
時間が経過してもそれほど変化はしない。

 もう一つの風は〈ブロー〉と呼ばれる極所的な強い風である。
この〈ブロー〉の風は風上側で発生して次第にその風の強いエリアは
風下側に流れる。
そのために、風上にセールする時には前方を見ていれば分かる。
風下に向かってセールしている時には
後方を見ないとわからない。
私は、最近
風下セールで後方のブローを見るようになった。
 その風の方向や風の強さは実際にブローに入ってみなければわからない。

 以上のような二種類の風はどちらの風の影響が強いかは
その時々で異なる。
ブローがほとんど発生しないで、地形による風の変化だけが問題の時もあるし
ブローが次々と発生して地形の変化があまり感じられないようなときもある。

 以上のような場所に用る風の違いは水面を観察すればわかる。
風が弱くなれば、鏡面のようになり空や雲などを映し始めるし
風が強いエリアの水面は暗くなる。

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